取材

台湾の「猫村」には人と猫が共存する優しい世界が広がっていた


猫島、猫カフェ、猫パブ、ぬこでら、ねこあつめ。空前の猫ブームにわく日本のみなさん、台湾には「猫村」がありますよ。コンビニすらない片田舎の集落が、猫を主役に地域おこしに成功していました。ごついカメラを携えた観光客が足を運ぶ人気の観光地となっています。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。世界中で猫の写真を撮ってきました。だからこそ、台湾の猫村も気になっていました。世界でも異色の猫スポットが、そこにはありました。

◆猴硐駅
2015年11月の訪問時に台湾の友人から「猫村に行ったことある?」と聞かれ、その存在を知りました。2016年7月に台湾を再訪。猫村を覚えていたのでインターネットで調べてみると鉄道でアクセス容易。時間もあったので猫村こと「猴硐」に行ってみました。

グーグルマップだとここ。


台北駅からだと猫村のある猴硐駅まで電車で約1時間。猴硐はホウトン(Houtong)という発音です。

今回、私は台湾東部の宜蘭市からの移動でした。


猴硐駅のホーム。


駅に降りたときから猫村は始まります。

ホームと駅舎を跨ぐ連絡橋も猫をテーマにした展示物がいっぱい。


このような感じで、猫村の説明パネルや猫のオブジェが置かれていました。


熊出没ならぬ猫出没は要するに猫注意のお知らせ。


猫に見立てたブイ(浮標)も並んでいました。

でも、これはメロンクマ。


こちらはピカチュウ。猫じゃなくてネズミでは……。


改札口を出ると切符売り場です。コインロッカーはなかったのですが、荷物預かりサービスはあって鞄を預けました。動きやすくなると気合も入ります。

駅舎の中も猫のイラストがいっぱいで、思わず頬も緩みます。


駅長だニャー。


トイレも猫づくし。


駅舎の外のバス停にも愛らしい猫の姿が描かれていました。


猴硐駅の全景。


緑の木々が生い茂る山間の静かな集落でした。日本にもありそうな風景。


村の南北に基隆河という川が流れています。この川に沿って線路や道路が作られていました。川の近くに人家が集まっています。


◆線路の東側
駅舎を出ると、目の前が広場があって幾つかの飲食店が営業しています。そこを更に進むと「願景館(VISION HALL)」 という大きな建物。かつては炭鉱の街として栄えたこの地。当時の施設を再現したジオラマなどが飾られていました。

辺りには炭鉱施設の廃墟もあります。


その昔、坑道を荒らすネズミ対策に多くの猫が飼われていました。その猫が野良猫化して繁殖。100匹以上の猫が生息する状況に陥ります。2009年10月、猫愛好家の活動によって猴硐は「人と猫が共生する土地」を目指すことに。そうした状況が知れ渡り、今日では台湾内外問わずたくさんの猫好きが足を運ぶ観光地となっています。

まずは願景館を中心とした線路の東側を歩いてみました。

腕を枕にしてぐっすりお休み中。


この猫はなぜか隻眼。


歩道の端っこでお座り。


目を閉じた姿も愛らしい……。


狩りをするかのように草地を飛び跳ねていた一匹。


すやすやとした寝顔。


犬小屋のように、猫屋敷か猫ハウスかわかりませんが、置かれています。


ベンチの下にもたくさん。


道路には「猫出没」と猫に注意を促す交通標識もあります。実は猫の標識って初めてだったり……。


同じく可愛らしい猫注意の標識。


◆線路の西側
意気込みほどに猫がいなくて「どうなのこれ?」とスマホで検索してみたら、猫村のメインは線路の西側ということがわかりました。駅舎まで戻って跨線橋を渡りました。

人と猫共用の跨線橋。新しくてきれいな橋でした。


跨線橋は巨大な芋虫のような外観をしています。


山の斜面に人家が並んでいるので階段や坂道を歩きます。こちらの方が猫密度が高かったです。隙間に潜んでいるので気付かず素通りも違和感から引き返して確認。いたるところに猫が隠れています。

警戒しているような目つき。


民家の玄関先で猫がうろちょろしています。


絶妙なバランス感覚。


机とダンボールの隙間で隠れんぼ。


古いボートが猫の住処になっていました。


同じ猫ですが、何を見つけたの?


家と家の隙間をぬらりと歩いて「あら、こんにちは」と顔を出します。


猫が地元民の生活に溶け込んでしました。


案内板と壁の隙間にうずくまる姿。


こちらの猫は塀の上の茂みで眠っていました。


実は近い場所に居た上の2匹。「一石二猫」「一挙両猫」の写真です。


「商品の上はふかふか、気持ちいいニャン」と熟睡する黒猫ちゃん。傷舐め防止のエリザベスカラーを巻いていました。


道で立ち止まると隣を猫がスタスタと歩いていきます。すいません、ちょっと猫通ります。


猫と人が生活空間を共有しているこの土地。


田舎の生活、猫がいる生活。


側溝の金網の前で脚がはまらないように一旦停止。


生きている猫だけじゃなくデザインとしての猫も見ごたえがありました。

猫雑貨を扱うお店の屋根には巨大な猫のオブジェが鎮座していました。


自転車に乗った猫と追いかける子猫のイラスト。


猫カフェも何軒か営業していました。


目付きの悪い猫さんたち。


ところどころにこうした猫のオブジェも飾られていました。


優しいお顔のお嬢さん。


バスを待つ2匹の猫と昼下がり。


猫を題材とした絵も壁に描かれていました。足を止めてマジマジと見入ってしまうほどでした。


足元に目を向けると小道に猫の足跡が埋め込まれています。


まぁ、敢えてオブジェにする必要もないんですけどね。誰も猫を止められません。奴らは勝手に足跡を残していくのです。ふぅ。


◆帰路へ
一通りに歩き周ったところで最初の地点へ。

寝そべる2匹の猫と洗濯物。平和です。平和すぎる世界でした。


一緒に写真。


にらめっこを試みる。


ねこねこパラダイス。ねこざんまい。胸いっぱい猫いっぱい。十分に満足したので、次の場所へ向かうため駅舎に戻ります。

すると郵便ポストの上で佇む一匹の猫を発見。


お気に入り?座り心地はいかがですか?


台の上にも猫が座っていました。


2階の切符売り場にも一匹迷い込んでいました。


最後まで猫だらけでした。

この猴硐猫村の後は「千と千尋の神隠し」の舞台に近い景観が広がる「九份」という観光地を訪問。猴硐猫村と九份は近い場所にあります。

◆注意事項
猴硐猫村の全体図はこのような感じです。線路を挟んで東(下)が平地、西(北)が山地となっています。


「住民の生活空間でもあるので迷惑をかけないこと」「ゴミは持ち帰り」「犬は連れてこないでね」といったお約束には目を通しておきましょう。


カメラのフラッシュも使用禁止です。


こういう場所なのですが、猫を捨ててはいけません。「罰金ですよ」というお知らせもありました。


このような感じで身も心も猫で満たされる猴硐猫村。台湾旅行を計画されている皆さん、訪問先リストに加えてみるのはいかがですか?

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

・お知らせ
この記事もそうですが世界各地で猫の写真を撮ってきました。こういった写真をまとめて一冊の本にしてみたいのですが、どなたか一緒にやりませんか?

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in 取材,   生き物, Posted by logc_nt

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